作
品例
ここでは、私の周辺で製作されたTD4を取り上げています。
これから製作される方、あるいは製作しようと考えておられる方にとっては参考になるのではないかと思います。
komuraさんの作品例
友人のkomuraさんの作品例です。
電子工作はほとんど初心者、とのことですが素晴らしいできです。(2ヶ月程度かかったそうです。)
「最初は全然うまくいかなかったが、やっているうちに慣れてきた」とのことです。
作品は、TD4の回路図をほぼそのままに作られています。
ただし、ROMとCPUが切り離されて別々の基板になっています。
まずは、CPU部分。
基板は、「ICB-97U」というサンハヤト製の基板です。本の中で使われている「ICB-98GU」をかなり小さくしたような感じの基板です。
ICB-98GUは、電源用の線が12本入っているのに対して、こちらは7本です。
それから、短い辺は穴が30個しかないので、ICB-98GUのように4つのICを縦に並べるのは無理です。
でも、1枚980円前後ととても安いので、1枚にまとめることにこだわらなければ、こちらの方がお買い得です。
表側の写真(ICが写っている方)左側にある黒い端子は、ROMを接続するところです。
これは秋月電子のピンヘッダ(こちらはメスのほう)が利用されています。
次にROM部分。
これは、秋月電子のユニバーサル基板を使っています。
1枚400円です。コストパフォーマンスはかなり良い方に入ります。
予算と時間の都合上、現段階では4ワード分のDIPスイッチにとどめてあるとのことです。
もちろん4ワード分でも、十分動作チェックはできます。
ご覧の通り、ダイオードアレイでなくダイオードをそのまま使ってあります。
この部分は非常に面倒だったそうです。ダイオードアレイ、手に入らなかったからなぁ・・・。
線が写っている方が裏側の写真です。結構きれいにまとまっています。
作るのもテストするのも、一番面倒な部分だった、とのことです。
その写真の左にある2つの黒い端子は、秋月のピンヘッダ(オス)です。
最後に動作しているところの映像です。
動作例:(wmv:202kB)
このように、2つをピンヘッダで接続して利用します。
ちなみに動作例の動画は、10Hzモードで動いています。
komuraさんの話
製作者のkomuraさんから、今後製作される方にとって、参考になりそうな話を聞くことができました。
ここにまとめておきます。
[バーチャル配線について]
バーチャル配線をして、部品配置を検討したり配線を考えたりしたけど、
その配線図のまま使うことはできなかったそうです。
作っていくうちに、いろいろ問題が出てきて使えなくなった、とのことでした。
つまり、バーチャル配線は「あくまでも検討用」だ、設計図ではな
い、ということです。
これをやったからといって、そのまま同じように配線できるとは思わない方がよいと思います。
(実際、配線図よりも回路図とにらめっこして、配線していることのほうが多かったそうです。)
もちろん、事前に検討することの重要性は疑いありません。
面倒ですけど、この工程を飛ばすことのないようにしてください。
特に部品配置に関しては、有意義な検討を行うことができると思い
ます。
(komuraさんの例でも部品配置は、配線図とほとんど同じだったそうです。)
[配線材について]
実際に配線を行うときの配線材は、1種類のものを使うのは止めた方が良い、
とのことでした。
これはまったくその通りです。
線の色が同じだと、配線量が増えてきたとき見分けが付きにくくなり、作業効率が
落ち
るからです。
でも、それだけ線材を買う必要があるので、コストパフォーマンスは良くありません。
ここら辺は、財布と相談して購入するようにしたほうがよいですね。
ついでにもう一つ書き加えておくと、購入する線の「長さ」は10メートル位が
良いかもしれない、ということです。
komuraさんは、10メートルの線を買って、大体半分くらい使ったそうです。
DIPスイッチを全部実装した場合でも、10メートルでちょうど位になるのではないでしょうか?
[電源について]
この作品では、ACアダプタによる電源供給を行わず、電池を使って6Vを供給しています。
えっ!6V!・・・本では5VのACアダプタを使っているのにいいの!?
と思う方がおられるかもしれません。
いいんです。
74HCシリーズは、供給される電源電圧が7V以下であれば動くことになっています。
ですので問題ないのです。
(このことは製造元から配布されているデータシートを見ていただければ分かります。)
ACアダプタを買う余裕のない方、コンセントから電源を取っているのに不安を感じる方は、
電池を使うことを考えてみてもよいのではないでしょうか。
「6Vで動かすのはちょっと気持ち悪い」という方は、2次電池を使う方法があります。
ノーマルなアルカリ電池やマンガン電池だと、1.5V × 4本で6Vですが、
ニッカドやニッケル水素の2次電池(充電できる電池)を使うと、1.2V × 4本で4.8Vになります。
[かかった費用]
工具(はんだごて、テスター、はんだ吸い取り器など) 5500円
IC、線、LED、スイッチなど 2600円
基板 1000円
だいたい、9000円程度かかったそうです。
ちなみに、これらの部品・工具は
・共立電子(シリコンハウス・デジット)
・トーカイ
といった大阪・日本橋のパーツショップでの価格だそうです。
今は100円ショップで半田ごてや、半田吸い取り器・半田ごて用の台・半田・リード線などが手に入る
ご時世ですから、もう少し安くすることも可能ではないか、と思います。