バナナホール・ライブ・レポート
9月15日、大阪梅田の夜。 リフィ・バンクス・トリオの最初の公演となる、バナナホールでのライブを観てきました。
メンバーは2日前に来日していて、着いたその夜から京都のアイリッシュ・パブ『The
Hill of Tara』でセッションに参加し、その翌日にはワークショップ、夜はサポートメンバーの赤澤さんとの顔合わせを兼ねたミニライブを行うなど、精力的に活動していました。それらセッションやワークショップもとても印象的だったのですが、やはり本公演はひと味もふた味も違う、素晴らしいものでした。
ポルカの〈Kitty's Favourite/ Pearl
O'Shaughnessy's〉から始まったコンサート、まずびっくりしたのは、そのしっとりとした音の表情。昨晩までのパブのギグの場合、ただでさえにぎやかな店内で、それにセッション・メンバーに煽られ触発されてということもあるでしょう、どうしてもガンガン飛ばして行く演奏になりがちでした。それはそれでダイナミックでスリリングなプレイを楽しめたのですが、それが耳に残っていたままだったので、びっくりしてしまったわけなんです。 いや、彼らのプレイが「ダイナミックでスリリング」であることには違いありません。しかし同時に、いやそれ以上に、なんと艶やかで繊細な音楽だったことか。一音一音がくっきり明確に、自信をもって鳴らされる。それでいて、全体としてはとても軽やかに流れていく、そんな音楽。これみよがしにテクニックをみせつけることはないけれども、確かな技術を感じさせる安定した演奏。早過ぎもせず遅すぎることもない、完璧としか言いようがないテンポとタイミング…。決して聴く人を煽り挑発していくものではないけれども、ゆったりとリラックスさせながらもいつの間にかじわじわと気分が高揚していく、不思議なコンサートでした。 ポールのMCをあいだに挟み、ステージは淡々と進行します。パブでもコンサートのステージでも、ボクたちはどこでも同じだよ…とでも言いたげな自然体のステージング。伴奏の赤澤さんのブズーキがまた絶妙で、息のぴったりあったアンサンブルを観ていると、ホントにこの人たち昨夜知り合ったばかりなの?と思わずにはいられません。ところで、この夜の大阪は大変だったんですね。そう、みなさんご存知の通り、阪神タイガースがリーグ優勝を決めた日に、偶然にも重なってしまったのです。途中の休憩時間は客席のあちこちでケータイで試合経過を確かめる人が続出。第二部終盤ごろには優勝が確定し、アンコールの頃には万歳三唱も同時に沸き起こっておりました(笑)。 というのも、このコンサートを主催した『ザ・テンプル・バー』のマスターは、知る人ぞ知る熱心なタイガースファン。その常連客も多数来ていたから、上のような光景になったという次第。 ![]() ともあれ、誰もがハッピーになれた幸せなコンサートでした。彼らを招聘し、企画・運営してくれたスタッフのみなさん、心に残る演奏をしてくれたミュージシャンのみなさん、改めてありがとうございました。 text by tongariyama, Nov. 2003 「踊る阿呆を、観る阿呆。」 |